待ち望まれる初音ミクのオフィシャルなライバルキャラ

 キャラとしての初音ミクはの人気は一定の水準に収束しつつあるようだ。初音ミクにからんだ動画がニコニコ動画のランキング上位に出現する頻度も去年に較べれば減っているようだし、Google Trends で見ても検索頻度のグラフは水平な漸近線へと近づく傾向を見せている。

 もちろんヴォーカロイドとしての実需は今後も確実に見込めるわけで、その点では一定の存在感は維持されるだろうが、アイドルキャラとして盛り上がるためのネタは少し不足気味というところだろう。その要因の一つとしては、初音ミクを中心とするヴォーカロイド一家が「安定」してしまっている点にあるのではないかという気がする。KAITOMEIKO、リン、レンとの五兄妹はどちらかというと仲良しムードの漂う家族というイメージで取り扱われることが多いので、キャラを弄るためのネタがいまひとつ足りない。

 ドラマには対立が必要といわれるように、ミクにもそろそろ本格的な対立者、すなわちライバルが必要なのではないだろうか。以前、一種のパロディとして亞北ネルというキャラが現れたこともあったが、彼女はあくまでもキャラとしてのみの存在であって、ヴォーカロイドという実体を備えていたわけではない。やはり本当の意味でのライバルであるためには歌という次元で対抗できる能力をもったキャラが必要だと思われる。

 次のヴォーカロイドとして話題となっている「がくっぽいど」は同じVOCALOID2 をベースにしており、異なる企業からリリースされるという点ではライバルとしての資格は十分にあるのだが、Gackt の声をベースにしているのが売りだけに、キャラクターを想定するのは無理がありそうだ。それに、ミクのライバルはやはり女性キャラであることが望ましい。

 理想的なパターンを思い描くなら、例の「ぼかりす」を全面採用したソフトが出たらかなり話題になるような気がする。キャラのイメージとしては「いいところのお嬢様」という味付けなどがなされているというのはどうだろう。お国の研究所の技術を使っている点をふまえて「生まれ育ちが違うのよ」的な雰囲気をただよわせる。昔の少女マンガのよくあるパターンではあるが、そういう設定をあえて使ってみるというのも面白いと思う。さらに、そのキャラの「一族」を順に追加していくなどの展開もあっていいだろう。今後のヴォーカロイドの選択肢を増やすという意味でも、十分にビジネスとして成り立つような気がするのだが……クリプトン以外のソフト屋さんで、どなたか名乗りを上げてくれないものだろうか。